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閉域網・オンプレミスでAIをフル活用!Dify × Ollama で構築する「ローカルLLM」のメリットと実践

こんにちは、今回は自社環境での生成AI活用を検討している企業、担当者の皆様向けの記事になります。

生成AI(LLM)のビジネス活用が急速に進む一方で、

  • 機密情報を外部クラウドに出せない
  • APIなど従量課金のコストが読みにくい
  • 閉域網・オンプレミス環境で完結させたい

といった理由から、クラウドLLMの利用に課題を感じている方も多いのではないでしょうか。

そこで近年注目されているのが、自社環境で大規模言語モデルを運用する「ローカルLLM」という選択肢です。 本記事では、ローカルLLMの基本的な考え方を整理したうえで、 Dify × Ollama × ローカルLLMモデルを組み合わせた、AI活用基盤の構成例とそのメリットについて解説します。

この画像はDALL·E を用いて生成しました

ローカルLLMとは?:クラウドとの違いと仕組み

ローカルLLM とは、外部のAPIを利用するのではなく、自社サーバやローカルPCのリソース上でLLMを実行する構成を指します。

項目 クラウドLLM ローカルLLM
実行場所 外部クラウド 自社環境(オンプレミス/閉域)
データ送信 インターネット経由 環境内で完結
コスト構造 API従量課金 サーバ・GPU等の運用コストのみ
構築・運用負荷 低い 自社での構築・運用・保守が必要
スケーラビリティ 高い ハードウェア依存

ローカルLLMでは、入力データや生成結果が外部に送信されないため、 情報漏洩リスクを最小限に抑えたAI活用が可能になります。 また、コスト面でも「使った分だけ課金」ではなく、 インフラ運用費(サーバ・GPU・電力など)を中心とした固定費モデルとなるため、 利用量が増えた際のコスト見通しを立てやすい点も特徴です。 一方で、クラウドLLMのようにキーを発行してすぐ使えるわけではなく、 初期構築や運用には一定のインフラ・運用知識が求められます。 ローカルLLMは「楽に使うAI」ではなく、 「コントロールできるAI」を求める場合の選択肢と言えます。

構成例:Dify × Ollama × ローカルLLM による開発・運用基盤

ローカルLLMを業務で活用するには、 単にモデルを起動するだけでなく、アプリケーションとして使える形にする基盤が重要になります。

1. AIアプリケーション基盤:Dify

Difyは、LLMを活用したアプリケーションをGUI中心で構築・管理できるOSSプラットフォームです。

  • チャットUIの提供
  • プロンプト管理
  • RAG(ナレッジ連携)
  • API公開

といった、「業務で使うAI」に必要な機能を一通り備えています。
FlowiseのようなGUIツールやLangChainのような開発フレームワークと比べても、DifyはPoC(概念実証)から社内展開までを一つのプラットフォームで進めやすいのが大きな特徴です。

2. LLM実行基盤:Ollama

Ollamaは、ローカル環境でLLMを簡単に起動できるツールです。

  • 「ollama run」のようなシンプルなコマンドでモデルを起動可能
  • CPU/GPUの両対応
  • セットアップが非常に軽量

といった特徴から、 検証環境や小〜中規模の運用環境を素早く立ち上げたい場合に適しています。 高スループット・大規模同時接続が必要なケースではvLLM、 GUI操作を重視する場合はLM Studioなども選択肢になりますが、 「軽量で扱いやすいローカルLLM実行環境」という点がOllamaの大きな強みです。

3. 使用するLLM:ローカルモデル

ローカル環境では、特定のモデルに限定されることなく、 さまざまなオープンな大規模言語モデルを利用できます。

  • GPT-OSS系モデル(OpenAI)
  • Llama系 (Meta)
  • Mistral(MistralAI)
  • Gemma(Google DeepMind

などはいずれも、自社環境で自由にホスティング可能です。

これらのモデルはいずれも自由にホスティングできるため、特定のベンダーに依存(ベンダーロックイン)することなく、用途・性能・ライセンスに応じてモデルを選択・差し替えする柔軟な運用が可能です。

ローカルLLMを導入する圧倒的なメリット

ローカルLLMの導入には、従来のクラウド利用では得られない多くの利点があります。

  • 機密情報を外部に出さない(高度なセキュリティ)

    社内文書や設計資料を環境内で完結して処理できるため、製造業、研究機関、公共分野など、機密情報の取り扱いに厳しい環境に最適です。

  • 運用コストの最適化

    APIの従量課金が発生しないため、利用人数や実行回数が増えてもコストの予測が容易です。 年度単位での予算計画を立てやすい点も、業務利用における大きなメリットです。

  • 高いカスタマイズ性と柔軟性

    自社の業務に合わせてモデルを差し替えたり、推論パラメータの調整、RAGの最適化などを自由に行うことができます。

次回のブログでは、今回紹介した構成をベースに、オンプレミス環境におけるDifyの具体的な構築手順を、ステップバイステップで詳しく解説する予定です。

「自社専用の安全なAI環境を実際に立ち上げたい」という方は、 ぜひ次回の記事もご覧ください。


私たちライフマティックス株式会社では、このようなDify等を用いたAI活用基盤の構築や運用、オンプレミス環境でのLLM展開についても、専門のエンジニアが強力にサポートいたします。

「自社専用の安全なAI環境を構築したい」とお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。